変態は奥が深い。

最初のうちは、「持ち物コレクター」とか共感できるレベルだったのが、足をなめる段に至ってはもうついていけん。愛情表現は人それぞれでいいのだからとは思いつつも、同レベルの価値観を共有しないと恋愛は成立しにくいはず。彼は自ら変態をカミングアウトし、罵倒されながらも、結果として彼女を自分のフィールドへ引き込む調教を始めたことになるのだろう。あるいはもともと持っていた彼女の才能を引き出したのかも。

彼女が、変態を憎み「普通の恋愛がしたい」と言いつつも自らもサディスティックな愛情表現に目覚めていく過程の表情の変異ぶりが絶妙。互いの繰り出す「変態技」が凄すぎて笑いも引きつる。

しかしながら、最後はほんわかムードの中、爽やかにＳＭカップルが誕生しちゃうのはなんだか興ざめ。マンガと違って終始力の抜けた淡々とした描写なのでこれもアリかもしれないが・・。マンガの持っていた「痛々しい青さ」をもっと見たかった。思い起こせば自分にも学生時代に思い当たるフシがある。もちろんこんなスゴイことは出来るはずもなく、「片思いの妄想」程度だが。やっぱファンタジーぽくまとめないで、「青春残酷物語」までは要らないないが、「愛と青春のピーター・グリーナウェイ」ぐらいやって欲しかった。なんのこっちゃ。

水橋君の「目」はすごい。つぐみチャンは、「ミニ広田玲於奈」風でグラマーぽいし、全然純な女子高生に見えないぞ。それでも良いが。