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[コメント] カッコーの巣の上で(1975/米)

譲り合わない考えの者同士の戦いの果て
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







人というのは生きてきた環境や学んできた内容、考え方によって全然違う 価値を見出す。当たり前ですな。

共産主義の悪い面を強調したかのような病院内であったがこれはこちら側から見た 都合のいい解釈とも取れる。異端な考えを世の中に広めようとしたらこちら側だって 尋問されてたわけで。

集団の中で変わった事や考え方を発言すれば(それが特に集団のポリシーに関わることであれば尚更) 叩かれるべき所から叩かれる事は必至だ。 であるから、何が何でもマクマーフィが正しくて婦長は管理社会の番犬ってわけでもないのだ。 この映画は彼の思想に都合のいい様にこちらが付き合わされている、と考えても良い。

世の中にはとんでもない非常識な行動をしていながら「俺が常識であんたらがおかしい」 なんて人も結構いるでしょ。彼らからしたら殆どの人が「婦長の言いなりの患者」に見えるんですよ。 だからこの映画そういうずれた人を更にずれた方向に加速させてしまう可能性というか正当性を 見出させてしまいそうでちょい不安なんですよ。

とにかく言える事。 この映画の様に善悪がはっきりしている現実なんぞほぼ世の中にはない。その現実に則って 「自分の方が賢いから反対の事を言っているバカな人の考えを改めさせよう」なんて思わない事。 でないととんでもない目に遭いますよ。マクマーフィのように。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)sawa:38[*] ナム太郎[*] けにろん[*]

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