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[コメント] スーパーマン(1978/米)

“Who are you?”“A friend.”―ロイスとスーパーマンのこのやりとり。輝かしい外見と、粋なユーモアが、スーパーマンの魅力だと僕は思った。(2006.08.16.)
Keita

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 そんなに出来の良い映画というわけではない。これは、公開時に観ようが、クリストファー・リーブ亡き今に観ようが、変わらない感想に思える。

クリプトンから地球にやってきた赤ちゃんが成長して、育ての親の命を救えないことに思い悩み、自らの使命を自覚する過程を描いた序盤は、その設定の面白さとヒーローとしての葛藤に魅力を感じた。

だが、実際スーパーマンとして活躍し始めてからの物語は、非常にアンバランスだ。レックス・ルーサーはジーン・ハックマンが演じるだけはあって、インパクトだけは強いが、物語上での悪役としての強さはあまり感じられない。

この映画、いわば最終ボスがいないのにひとりで闘う男の物語なのだ。単純娯楽映画としては、クライマックスの盛り上がりに欠ける。もっと暗いテンションで、クラーク・ケントの葛藤を掘り下げてみると、物語としては面白かったのかもしれない。

 とは言え、映画やコミックスを未見でも誰もがその名前を知っているスーパーマン。それだけキャラクターとしての魅力は強いのだ。スーパーマンが人を救うシーンの数々、これにはユーモアが溢れていて、物語とは別にシーン単体として面白い。「お母さん、飛ぶ人が猫を助けてくれたの」と喜ぶ女の子や、「俺を信じろ」という大統領機のパイロットなどなど。

スーパーマンの台詞もひとつひとつが粋である。「あなたは誰?」と尋ねるロイスに対して、「友人です」というセンスはお見事。クリストファー・リーブはまさにスーパーマンだという人々がたくさんいるが、あの笑顔を見ていると、そう言いたくなる気持ちがわかる気がした。

 空を飛ぶという人類の憧れを、ジョン・ウィリアムスの音楽にのせて、映像として表現したスーパーヒーロー。当時観ていたら、今より熱狂できただろうなぁ…。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)緑雨[*] きわ

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