[コメント] カサノバ(1976/伊)
性豪としての実力のほどを、覗き見という、映画的な欲望の許に晒すカサノバ。彼の性交のBGMを奏でるのがオルゴール=機械仕掛けというのがまた映画の暗喩を思わせる。彼の最後の愛人は、紛れもない真の愛人ということだろう。
だが、狙って演出されたのであろう「豪奢な退屈」が実際退屈でしかない面も多々。濃いメイクで老いを繕いつつ頑張るドナルド・サザーランドは、ただひたすらに性交の反復のみに生きることを強いられるゾンビだ。そのセックス・シーンでの振舞いそのものも、ダンスのようなアクションで、機械仕掛けじみている。
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