[コメント] ロビンソンの庭(1987/日)
非常に個人的な感想をもっているので参考になるコメントではないかもしれない。しかし彼の映画には湿っぽさが全くないことは確か。(だから今ひとつ受けないのか)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ロードショー公開時に見に行き驚愕した。主人公の女性が母親そっくりだったり、彼女にからむ悪ガキの可愛げなさが私の子供時代にそっくりだったり、彼女の部屋(?)に転がるスナックの看板「もん」が母の実家の隣にある店の看板とおなじだったり、母の実家の隣にはガイジンハウスがあったり、何より母の実家はめたくそ無秩序に緑が生い茂る家だったのだ。「自分のことを描いた作品だ!」と感情移入することは殆どないが、これには驚いた。
そしてさらに驚愕したのは、見終わって出てきた時一緒に見ていた友人が口を揃えて「これおめえんちの映画じゃねえか!?おめえ山本と無関係だよな?」と言ったことだ。皆びっくりしたのだ。
山本政志の映画には湿っぽさが全くない。ノスタルジーが入り込む湿度のかけらもない。現在母の実家は建て替えられ、この映画の面影はまるでない。ガイジンハウスももうない。それでも、誰のトクになるのかまるで分からないが、この映画は「'80年代夏の上北沢」や、「私が母と過ごした子ども時代」を体験する映画であることは間違いない。彼の映画に共通する荒涼とした人懐っこさは、おそらく見た人それぞれの、ある風景・ある時代を喚起するのだろう。
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