[コメント] 海の上のピアニスト(1998/伊)
ラストがどうこうよりも、この男のからっぽな人生に、何を託して何を伝えたかったのか、全くわからん。雰囲気はすてき。音楽のシーンも。でもそれだけ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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別にすべての映画が「人生」を描くべきだとは思わないが、せめて「人間」くらいは感じさせて欲しい。ここにあるのは単なるお話であって、監督がそう願ったような「伝説」ではないし「物語」ですらないと思う。
映画は(もしくは作り手は)、主人公に有名になってもらいたがっている。だが、彼が自分の人生に乗り出していって、すばらしいピアニストとして評価されたとしても、それだけでは「伝説」にならない。しかし、彼には何とかして伝説を全うしてもらいたい。彼に足止めを食わす。実人生に出て行かせない。
主人公が弱かったり、くじけたりするのはかまわない。でも、彼の足をタラップで止めたものは、彼の弱さではなく、作り手の「伝説」への意図から、としか思えない。彼の船の上のエピソードも、一人の生きている人間のエピソードのように立ち上がってはこない。と同時に、常人離れした天才のエピソードのようにも見えない。
1900君が、ただの狂言回しのように見えて仕方ない。映画で狂言回しの役を与えられている友達よりも、ずっと。
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