[コメント] 妖星ゴラス(1962/日)
どのSF映画もそうだが、未来を映した時の未来人の文化(服装・髪型・音楽・家の装飾など)って作りこみ過ぎる。それはキューブリック(2本)を見てもタルコフスキー(1本)を見てもスピルバーグ(2本)を見ても深作欣二(微妙)を見ても明らかだ。この映画のような近未来(わずか20年後)の設定ともなると、明らかな未来とも言えず微妙な未来観が必要になる。意味なく、オトコが全員アフロでオンナが全員ヒロスエ風おにぎりカットみたいな、微妙に極論な未来の流行が有っても良かったんではないか。音楽にしてもそうだ。未来の音楽が創造できないのは判るんだが、この当時の流行まんまってのはどうなんだ。あのミニチュアの模型達の作り込みのテンションに対して手を抜き過ぎな作り込みじゃないか?というか、この映画はやっぱり南極基地の建設現場だよね。話なんか二の次で、あのミニチュア世界と洪水のシーンがあれば後はなんでもいいっていう感じ。という事で、明らかにスタッフの力の分配が特撮の方に行き過ぎです。このバランスを取ってこそだと思うんだがなぁ。
ま、20年はおろか40年たった今でも、こんな「人類みな兄弟」な世界は人類には無理でしたってのが大オチなんですか。たぶん、全人類が共闘して大問題に立ち向いましょうってのは、あと40年あっても無理です。ま、可能性があるとすれば、ゴラスが来たら〜ぐらいです。でも、それもブルース・ウィリスがいる限り無理です。しょうがないですね。
そういえば、プロジェクトXに絡めた方が何人かいらっしゃるので、何も自分まで便乗するのも何だと思うのですが、むしろ、この映画の後に待っている苦難と思われる「北極計画」の方がX的には向いているのではないかな、と。たぶん日立とかの研究所をバックに「そこには…陸がなかった…。田沢は苦悩した…。」とか。「政府は決断した…。アメリカの出方に任せよう!…と。」←今も昔もw
まあ、こんなとんでも映画が40年以上昔にあったという事で、そろそろ「ゴラスが周回して戻ってきた!」という「妖星ゴラス・リターンズ」を行定あたりが(ヒロインは柴咲コウ)。ミニチュア現場はまた再現しよう。アレは良かったから(今回の4点は全部アレに捧げる)。そして今の利点はただ一つ。宇宙船からの炎が風に負けない。コレに尽きる。怪獣はもっと大きいオットセイで頼む。
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