[コメント] ルパン三世 ルパンVS複製人間(1978/日)
この魅力的なキャラ達は、アニメによって創造されていることで不老不死を手に入れたわけだが、同時によろずの神に支配されることとなったのだった。以下、無意味だと思いつつも『カリオストロの城』の「神」との比較(2003/01)→
TVのルパンシリーズに一番馴染みが有ったので、敵キャラでは無く味方側に強烈な新キャラを創造してしまった『カリオストロの城』を観た時には正直がっかりしてしまった。ルパンの最大の魅力はなんと言っても際立ったオリジナルキャラ(ルパン、次元、五右衛門、不二子、銭形)。この5キャラに負けない敵キャラを創造し、いかに5キャラを際立たせられるかが、映画作家の力量だと思っている。シリーズにはシリーズのある意味「お約束」があるわけだから、主役を食ってしまうほど強烈な新味方キャラ(クラリス)を創り、無理矢理自分の作家性に「ルパン」を引き寄せてしまった『カリオストロの城』は、5キャラを活かしきれなかった時点でいくら単体として面白く仕上がっていても「そりゃ反則じゃねーか!」感が拭えない。
実際、『ルパンVS複製人間』は随分昔に観たにもかかわらず、この映画の方が「ルパン映画」として印象に深い。それは、やはり、強力な敵キャラをつくり、5人を徹底して「魅せた」点にあろう。そういうオリジナルを第一に尊重した創作姿勢に好感を持つ。ルパンファンとしては5点満点だ。
・・しかし、今になって再見すると、逃げる美学を徹底したがゆえか、ストーリ展開は単調に思えてしまうところもあり、構成の美しさを呈した『カリオストロの城』の出来のよさを残念ながら再認識する結果となってしまった。イントロが秀逸なだけに、その勢い(クオリティ)を持続できなかったことが悔やまれる。
苦渋の★3
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