[コメント] サルバドル 遥かなる日々(1986/米)
「遥かなる」存在にしてしまってはいけない。
「語りすぎだけど言わずにおれないオリバー・ストーン」がガンガン伝わってくる。
あんな危ないところに、その国の人たちが命を張っている現場に、ピューリッツァ狙いで外部のものがホイホイ行くなよなーという意見もあろう。でも、彼らがいなければ、お茶の間のわたしたちはそこで何が起きているのかを知ることはできない(勿論それだって断片的な情報でしかないのだけれど)。
ベトナム戦争のときは、生々しい戦場の状況をそのまま伝えたことで本国内で反戦運動が盛り上がってしまった。そのため、湾岸戦争のときは徹底的に報道管制を敷いて現地の生々しい映像は伏せた(わたしもゲーム画面のような爆撃映像しか覚えていない)。その結果湾岸戦争は何となく血のひとつも出ないクリーンな戦争のようなイメージが定着し、広く大衆に支持された。とあちこちの論説で読んだことがある。
情報は多様だ。真実はどこにもないかもしれない。でも、だからこそ、目を見開かなくてはいけない。耳を澄まさなければいけない。
真実かもしれない、真実じゃないかもしれない、でも本気であることには間違いないオリバー・ストーンのあふれる心に対しても、こちらも本気で向かい合わなければいけない、と思う。
観てよかった。
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