[コメント] ミツバチのささやき(1972/スペイン)
最初,ぼくはこの映画に5点は付けられない人間だと思った。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
映画が村にやってくる懐かしい場面,黙々と働く父,寝床でささやき合うきょうだい,・・・総てはぼくの中に在る筈なのに,それが素直に流れ込まない自分を感じていた。
希有な子役とされるアナ=トレントも,月の水面に浮かぶ花のような可愛さに目を見張り乍らも,端から傍観しているような自分が居た。
ところが後半,彼女が無断で夜の野に出てゆく処から,そういった余計な雑念がす〜っと消えていったのだ。ぼくも少年の夜,一人で森の中を歩いたことがある。余計なことを言ったり,余計な表情を作る必要もない。怪我をしても痛くないし,走っても息が切れなかった。
この映画の感じ方は各人各様だろうけど,嘗て自分の中にあった「静謐」を,みなこの映画の中に見出しているのではないだろうか。
蛇足1.)ところで,イザベルも健康的で魅力的ですね。不健康そうな妹が可愛すぎてかすんでしまうのが可哀相です。
蛇足2.)あんなポーカーフェイスの子供を見破ってしまうお父さんは,流石だと思いました。
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