『エリン・ブロコビッチ』が実話だからすごい。なんて本気で思ってる人がいるのだろうか。あれは胸の谷間の映画として見る以外にないではないか。その谷間に感動出来るなら良い映画になる。私は悪い気はしなかった。そしてこの映画は、本来自動車に乗り、それなりのスピードで見るべき風景をトラクターの速度で見せるための映画。ロード・ムービーといえばそれまでだが、ヴェンダースの速度でもなく、ジャームッシュの速度でもなく、苛つくような速度で見る風景に感動出来るかどうか。私は感動した。ベッドの中で「はやくおはなしを聞かせて」とせがむ子供にこの「おはなし」は退屈かもしれないが。