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[コメント] ナチュラル・ボーン・キラーズ(1994/米)

オリバー・ストーンの云いたい事は分かる。が、問題は万人がこの映画を社会風刺と受け取れるかどうかだ。見た目に派手で凝った映像表現は、逆に暴力賛美と受け取られる危険性を秘めている様にも感じられる。高度な作品だとは思うが、その点が引っかかった。
Pino☆

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 エンドロールを見ながら、この映画が伝えたかった事を考えた。頭に浮かんでくるのは、

 家庭の崩壊、暴力の連鎖、大衆を煽動するメディアの危険性・・・

といったこと。だが、確信が持てなかった。その理由は、この映画の暴力シーンにある。時にアニメーションを交えながら、非常に技巧的な撮り方をした派手な暴力映像は、表面的には格好良過ぎて真実を掴み難くしている気がしてならなかった。

 映画通が見れば、間違いなく、この作品は風刺映画である。が、映画通でない人がこの作品を観た場合、どう感じるか? 焦点がぼやけている分、逆に暴力賛美という誤った解釈をしないだろうか? そこが非常に心配で、私には危険な映画に思えてならなかった。

 個人的には、暴力を否定するのなら、もっとストレートに表現すべきだと思う。クエンティン・タランティーノなら、おそらくそうしたんじゃないだろうか? と思うと、レベルの高い映画だとは思ったが、やっぱり良い評価はつけられない。

 ただ、「暴力の連鎖に陥る人を救う唯一の手段は”愛”だ!」というメッセージだけは気に入った。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ねこすけ[*] ジャイアント白田 町田

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