[コメント] グリーンマイル(1999/米)
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『ショーシャンクの空に』へ、ワタシは最大限の賛辞を贈りました。ストーリーはもとより、ひとつひとつのエピソードの積み重ねがゆったりとした時間の流れや空気感までをもスクリーンに焼き付け、オールタイムベストにも入るものと感じました。そういった意味でこの映画にも大きな期待を寄せていたものです。 最近のめまぐるしいカット割りの映画になれた目には、とてもしっとりとした色調の画面で、心落ち着いて観ることができました。音楽も雰囲気によくあったもので、俳優陣もよい意味でケレン味なくじっくりと演じています。3時間をこえる尺も、全く気になることはありませんでした。とてもよい映画です。
駄菓子菓子、この違和感はなんなんでしょう。すれはズバリ、この映画のキモである、「奇跡」の取り扱い方ではないでしょうか。 本来映画はフィクションなのですから、たとえ宇宙人が出てこようと、モンスターが出てこようと「そんなワケねぇだろ!」とは決して申しません。申しませんが、ファンタジーならファンタジーでそれなりのウソの付き方があるわけです。もともとワタシは(SF・ファンタジー系)ジャンル映画が大好きなので、作品を見る際には「コレはジャンル、アレは非ジャンル」というような線ひきを意識のどこかでしています。その基準となっているのが「ウソの付き方(なんか語感が悪いですね.....)」で、これの良否が映画のデキを左右すると言っても過言ではないでしょう。けして非ジャンル映画を否定しているのではなくて、ワタシなりにそれぞれ別の愉しみ方、味わい方でもって鑑賞しているわけです。『グリーン・マイル』は、ワタシ的には「ファンタジー(ジャンル)映画」だと認識しました。にもかかわらず、この映画は明らかに「非ジャンル映画」の方法論でもって制作されています。ジョン・コーフィの出自や、癒しの力についての説明があまりにもなさ過ぎて(原作にはあるのかな?)、「何かわけわからんけどスゴイ力」ではワタシには到底納得できません。たぶんそこに違和感をずっと感じ続けていたのではなかろうかと思う次第です。
勉強不足で申し訳ないのですが、原作者スティーブン・キングは敬虔なクリスチャンなのでしょうか。もしこの映画が、殉教したイエス・キリストの物語の焼き直しとして(リイマジネーション?)キリスト教徒向けに制作されたものなのだとしたら、ある程度納得いくのですが。
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