[コメント] 隣の女(1981/仏)
単純で複雑。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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男による「単純で複雑」という女の形容をそのまま映画に当てはめてみたくなってしまう。ひとつひとつは何でもないものが撮られているのに、それに安心していたら突然いろいろなことが起きて(特に同時に電話をかけるが話し中というシーンが秀逸)画面から目が離せない。その「観ていると苦しくなるのに決してそこからは離れられない」様が、ラストに男と女の墓碑に刻む追悼文として夫人の口から発せられる締めもよい。
個人的にはドパルデューとアルダンという俳優自体がともに好みではなく、ふたりに感情移入するところはまったくないのだが、上記の構成の楽しさに加え、愛することの悦びと苦しみを知り尽くした語り部的な夫人や、主人公2人それぞれのつれあいの存在のバランスが本当に素晴らしく、再見に耐える大人の作品に仕上がっているところはさすがにトリュフォーだと唸らざるを得ない。
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