[コメント] 偽大学生(1960/日)
増村保造ほどの手腕をもってすれば、これを「ありとある組織の必然的な拡大化に伴う腐敗と、その犠牲者」を描く傑作とするのは容易であったろう。ただ…
観る側によっては、おそらくこれを「学生運動の非人間性とその犠牲者」と表面的に読み取る者もある、という意味で看過できない一面を持っている。
映画館で、「終」マークが出たその時に軽薄に拍手をおくった若者がいた。彼は、戦後いちばん無責任に「アカ」を蔑める時代が今だということに気づいていたのだろうか。それも映画館という匿名の個人たちが集う場において。
日本に卑怯者が増えたことを改めて実感させられたレイトショウであった。
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