[コメント] ベン・ハー(1959/米)
照明が落ち真っ暗な中で長い序曲を聴いているうちに映画をみるモードに切り替わってゆく。4時間を超える物語に少しも飽きることはなかった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「イエス・キリストの話である」というようなことが文字で見えた。それは、映画をみていくうちにとても納得できることに思えてくる。そもそもキリストの誕生から映画は始まり刑に処されるまでが描かれて終わるのだ。神を信仰し、復讐を誓いながらもその御心のままに運命に寄り添い、そしてキリストと接点を持ったベン・ハーの物語。ベン・ハーの神への信仰告白物語のようだ。
というよりも、この物語は男の復讐譚と表現されやすい物語なんだろう。でも、復讐を行なうのをみてスッキリする内容ではない。そうしたら対決後のあの長い物語をなんと説明すればいいのだろう。この物語は、「復讐心で生きてきた男が、それをまっとうした後にも憎しみの心にとらわれて苦しむところから解放されるまで」と言いたい。
ほかに思ったこと。
悪い人間が改心せず悪いままでいるというのは復讐する側には救いですね、多分。というより、みている観客としては、かな。やっつけることを後悔しなくてすみます。
カメラが引いたパンの状態で、人がごちゃごちゃいたとしても「この人」と「この人」に焦点を合わせることができていて、その二人をつながる線がピーッと見えるようなのがすごい。
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