[コメント] 緋牡丹博徒 お竜参上(1970/日)
手前に鉄瓶、文机や火鉢の大きな暗部をおいて画面を黒く引き締め、その向こうに本当に撮りたい被写体を置く。被写体の奥にはさりげなく効果的な光源。完璧な構図だ。このフレーミングの知性こそ、加藤泰が日本画の伝統から受け継いだもの。しかし、→
画面の安定を決して許さぬかのように、女豹のようにしなやかに藤純子が左から右に、あるいは奥から手前に動いたりしながらダイナミズムと構図の美しさを両立させていることこそ、真に驚かねばならないことなのだ。キャメラが被写体に対してどのように迫っているかワンカット、ワンカット穴が開くくらい画面を見続けた100分間であった。
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