押井守原作・脚本のアニメ作品。架空の日本戦後３０年代を描く。

ガンアクションはあるものの、人間ドラマに重きを置いている。その描写も手慣れたもので気恥ずかしさを感じさせないのはさすが。

特にCGなどもこれ見よがしに使っていないところも好感が持てる。押井守ファンにはこれまでの意図してきたもののある意味での完成形を見る思いだろう。

アニメーションとしては今までになく実写に近い感覚を表現しており、それを高く評価するのは分かる。ただ、実写に近づけば近づくほど何かが足りないと思わせるのはなぜだろう。実写において思いも寄らない現実の風景、人物の表情に観る側は心をうごかされるのではないか、そんなことを考えさせてくれた。