[コメント] 星空のむこうの国(1986/日)
良いグラフィックデザインと良い映画は似ている、と改めて感じた。
仕事柄思うのですが、良いグラフィックデザインというのはたいてい思い切りがよい。というより、むしろ枝葉を思い切って「切り落とす」作業がデザインだと思います。
映画もそれに似ている、というのが僕の考えです。悪い映画は作り手が「やりたいことを明確に出来ていない」つまり、「何を切り落とすべきか分かっていない」「どこを丁寧に作ってどこで力を抜くべきかの判断がついていない」のだなと。
初期の小中和哉監督作品であるこの映画は、そういう意味で本当に「良い映画」だと思います。特に小中氏が8mm時代に作った「いつでも夢を」という映画は、ただ橋幸夫の同名曲に合わせて男女が動くだけの作品でしたが、見ている者を楽しい気分にするためだけに作られたことがハッキリと分かる名作でした。
その後、どんどん手垢がついていってしまった感のある小中氏ですが、是非自身の「ムダ」を切り落として復活してほしいものです。
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