[コメント] 宇宙大怪獣ギララ(1967/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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松竹が作り上げた唯一の怪獣特撮映画。
冒頭から何か気の抜ける歌が流れ、なんじゃこれは?と思っていたら、歌手の名前が倍賞千恵子…やっぱ松竹だ(笑)
松竹としてもこの作品についてはかなり期するところがあったらしく、ミニチュアの宇宙船のシーンとか、細かく作られていたりする。ただ、やはり蓄積がない哀しさか、火や水の使い方が下手。ああ言う不定型なものをリアルに見せることも(見立ては勿論必要としても)大切な技術の一つ。
それにストーリーの方も、色々凝ったキャラを使っている割には今ひとつ。テレビシリーズの特撮ものの一エピソードをそのまま持ってきただけに思えてしまう。スタッフの方は色々勉強したんだろうけど、多分参考にした作品があまり良くなかったんじゃないかな?人間ドラマの方も緊迫感があまりなく、中途半端な感じ。
とは言え、良いところもある。なんと言ってもギララのデザインは秀逸。あの円盤状の頭部に蟹のような目。機械と怪獣の合体型みたいなギララの姿は結構格好良い。それにあの「ボエーッ」というギララの鳴き声(?)も何か妙に投げ遣りな感じで、特徴はある(とは言え、あの声を聞かせて緊迫感を持たせるのは無理じゃないか?)。
後、もう一つこの映画で嬉しかったこと。多分特撮怪獣映画では恐らく唯一、わたしの故郷(の近く)を破壊してくれた怪獣だけに、それは買おう。だって、あんまり田舎過ぎるから、怪獣の方が来てくれないんだもん(笑)。
尚、この映画、大映の平成『ガメラ』成功により、リメイクの話が松竹の中で持ち上がったそうである。もしそうなれば、『ゴジラ』、『ガメラ』、『ギララ』のそろい踏みが見られたかも…別に見なくても良いか。
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