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[コメント] 鬼火(1963/仏)

親からの財産を食い潰さない程度に放蕩した後は、妻を迎え、子供を産ませ、自分と同じような人間を世に送り出す、すばらしい家族を形成することが、こういう世界の人達の人生の目標なのであって、その中で互いの絆を愛だと思える人たちはおそらく幸せに暮らせる。
kazby

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







そんな風に生きることをきらい、個人として、激しく生きたいと願い、いろんなことをやってみるのだが、結局誰も自分を必要としていないことに気付き、酷く傷つく。 理想があるのはいい。 でも、そこへ一気にたどり着くことは出来ず、目に見えるものはどろどろとした実践のみ。 彼にはそれが理解できなかった。 なぜなら、最初から何もかも持って生まれてくるから。

ないと感じたものが、あるべきはずの愛だったのかもしれない。 でも、愛に至ると思える状態や、そこへたどり着く方法を、彼は多分知らなかったのでは。 こんなんじゃない、こんなはずではない。 そんな堂堂巡りの中で、ついにどこにも軸を持てず、自死でしか自分を解放することが出来なかったことが悲しすぎる。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)寒山拾得[*] けにろん[*]

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