[コメント] あの子を探して(1999/中国)
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ここのコメント読んでやっと分かったよ。最初は金のことしか考えなかった先生が徐々に大切なことに気付く、そういうことなの?
はっきりいって全く気付かなかったよ。俺にはただの最後だけお涙頂戴の妥協映画にしか見えん。筋が通ってないよ。
先生だけでなく、この映画に登場する全ての人が自分のことだけ必死で考えて生きてるでしょ、局長以外。先生も村長もホエクーも姉もみんな特別悪い人じゃない。ただ必死で生きてるだけ(村長はようわからんが)。何もそれは悪いことじゃないけど、先生がホエクーを探すのは金以外の目的ではありえないわけで、本人のことを思うなら出稼ぎにいかせるのが当然でしょうが。
だからさ、この映画って(ラスト除く)それぞれがそれぞれの為に必死で生きてるって話でしょ。それを肯定してるはずじゃん。そこがまずこの映画の主題であるわけだ。
それがなぜかラストで局長の温かい親切でハッピーエンドって、ちょっと待ったれや。自分の為に人を使いまくってた奴が、いきなり人に助けられて目出度し目出度しって、おいこら! 自分の為に生きるってことを否定したかったのか?あの状況ならどうしようもないじゃん。それが生活ってもんでしょ。
本当に人の為を考えることに目覚めたんなら、ホエクーみつけてそのまま姉の下にかえしてやれよ。出稼ぎにいかせるのが本人の為だろう。えっ、寄付金で借金返せたって? いいかげんにしてくれ。ホエクーに言ってやれよ。「本当はお金の為に探してたの」って。人の為を知ったって話なら、あの村長の相変わらずな態度はどう説明するのよ。
他のコメンテーターが言ってたけど、これって農村と都会の貧富の差の皮肉を言いたいんでしょ?農村ではこんなに優しい小さな先生が、お金のことばかり考えなければならないような生活なんですよって。都会ではテレビに出ただけで迷子は解決、借金は解決、チョークも解決、今の世の中そんなもんなんですよって。都会でのんびり暮らしてるそこのあなた、この話聞いて何とも感じませんか?って。そういうことでしょ。
だったらさ、そこんとこもっと残酷に皮肉を徹底して描くべきだよ。主題とは別に外見だけお涙頂戴の良い話を装うのはやめてくれよ。ドキュメンタリータッチにしながら、所々劇団の子役みたいな顔をつかうのやめてくれよ。ついでに言わしてもらうと、頼むから、こういう映画で「泣けた」とか「泣けない」とか言うのもやめてくれ。
この監督はお涙頂戴モノの形を借りて農村の状況を訴えたかっただけでしょ。この映画はただの器。作品じゃなんだよ(もし、本気で作品のつもりならこの監督は相当な阿呆だ)。
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