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[コメント] ボーイズ・ドント・クライ(1999/米)

現実を強調することと、リアリティを増すと言うことの違い。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 実際に起こった事件をもとに映画化。特に主演のスワンクは多くの賞を独り占めにしていると言うことで、観るのを楽しみにしていた。

 それでビデオで一見。

 確かに悪いとは言わないし、非常に真摯に性同一性障害に向き合っているとも思う。

 だけど根本的な問題。

 物語としてみると全然面白くない。

 ストーリーに起伏がない上に、映画誌の紹介で「実話」を強調するあまり、オチまでばらしていたので、衝撃的であるはずのラストにも引いた。

 それに問題は、主演のスワンク演じるブランドンに感情移入できなかったと言う事実。自己同化が出来ないから、私はただそれを脇で眺めているだけの観客でしかなかった。

 現実を強調することが“リアル性”を増すことにはならない。自分の問題として問題が提示されたのならば、どれほど荒唐無稽でも、自分にとってリアルになり得るのだが…特に問題提起を促す気持ちが制作者側にあったとするならば。

 結局“悪い作品じゃない”以上の評価は出来にくいな。

(評価:★3)

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