[コメント] ハイ・フィデリティ(2000/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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分かっちゃいるけどやめられないのがランク付け。何事もTPOで変わっていくし、何を根拠に比較してるのか分からないので意味ない行為と思いつつも、「生涯の映画&音楽トップ5(じゃ足りない)はコレに決まり!」とほくそえみながらチマチマやってる人。スタートラインは彼とおなじおなじ。かくいう自分もその一人(かなり重症)。自分の嗜好を愛するあまりの形にしたい願望のなせる技ですナ。
問題はその使い道。あくまで個人の嗜好なのに、相手を判断する尺度として頼っちゃイカンワケですね。かくいう自分も若かりし頃は少々押し売り気味だった気もするが、今はコミュニケーションの手段だということをちゃんと把握するまでに成長し、ひと安心。あ、さすがにオリジナルテープなんて、今じゃこっ恥ずかしくって作れませんがね(笑)。
さてさて主人公はというと、強力な「なぁなぁ」仲間に囲まれて日々自分の嗜好に磨きをかける毎日。ところが男としての自分、社会の中での自分にイマイチ自信が持ちきれず、恋愛してても傷つくことを恐れてついつい相手に無理に合わせてしまう。どーしてそんなに傷つくことが怖いかというと、嗜好を人間の価値判断にしているような人間だから、大切にしているものまでが全否定されたり傷つけられたりするなんて思っちゃうからなんでしょうか。「ゴメン」のひとつもまともにいえないなんて、相当重症ですな。自分のことばかりに手一杯で、相手もまともに考えられない主人公にとって、恋愛はいつまでたっても一人称。周りの人間がイライラするのもわかるような気はするなぁ・・・。
フラれ続ける人生に「何故?」と悪戦苦闘しながら、次第に自分が見えてくる。最終的には相手の立場にたってものを見ることを知り、めでたくハッピー・エンド。しょーもないけどニクめない奴です。
脇を固めるオタク二人衆も強力。デブ店員の歌声にしてやられました。けどレコードデビューしたとしても、歌と容姿のギャップでどっかのAOR歌手の二の舞的な扱いにならんと良いけど、なんて心配も。
最後に。主人公とその同類を「自分は違う」とばかりにやたらめったらこき下ろす人、足もとすくわれないように気をつけましょう。もともとは自分の嗜好をこよなく愛する人でなきゃこのサイトに参加して、投票したりされたりして喜んでいないハズなので、みんな元をたどればご同輩だったりするワケで。思わぬところでポロっと押し売りやっちゃてるかもしれませんゾ(笑)。
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