[コメント] 風が吹くとき(1986/英)
この絵でよかったとしみじみ思う。明らかに怖いタッチならば、私は絵本を手にとることもなかっただろうし映画も見なかっただろうから。
最初から「怖いですよ、怖いですよ。たいへんな目にあいますよ。」と表紙の絵で訴えてくる「はだしのゲン」を、子どもの頃の私はどうしても手にとることができなかった。
戦争や核がらみのものはすべてダメ。最初に「人間を返せ」というかなりハードなドキュメンタリーを見てしまったからというのもあるが、生々しい雰囲気がありあり漂っているともうそれだけで拒絶反応。
特にヤだったのが夏休みの課題図書。「これはきっと怖いにちがいない」ビーム炸裂の写実的な絵が表紙だったりすると、私にはそのタイトルが「読まない方がいいです」という文字に見えてくる。「んなもん誰が読むかぁ!」書店の店頭で、近所の図書館で、大々的に飾られているそれらを見かけるたび心の中で叫ぶ。
というような「かえって人を遠ざけてるとしか思えない戦争や核についての本や映画」があふれていた頃に、このようなものが登場した、しかも映画化され世間一般に広まった、というのはいいことなんじゃないかなと思う。
個人的には、「あ、モモちゃんシリーズの人だ!」と、これまた楽しそうなタイトルと可愛い挿し絵にだまされ「ふたりのイーダ」を読んだ後と同じような気持ちにもなったが。
…こちらの方も映画化されたし、この作者たちにはちょっと似たところがあるのかも。とも。
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