[コメント] 大地のうた(1955/インド)
このインドの平凡な風景からどれだけ我々は学ぶことができるか。映像詩人。言葉や哲学、そして神をも超越する志。
オプーの人生それは幻だ。現実と現実と現実である。貧しい一家、ある地方、その小さな小さな家、そこにささやかに住む家族、そして一番小さいオプー。オプーはお姉さんが大好きで、いつもお姉さんに抱かれてじゃれている。ここが印象的に語られている。
そしてその姉の死。姉の生前の罪。それを知って黙しているオプー。またこの描写も見事。クモが姉が隠していた茶碗にやってくる。これ最後のシーンに強く結びついている。
カメラが実に風景をリアルに写す。そして日本では考えられないような雨。あの黒澤明が、そしてタルコフスキーが描いた水、そして雨、かれとはまた違うレイの雨。強く、濃く、そして優しく包むような雨。この包容力のある雨と風景、平原に圧倒される。
最後がまた素晴らしい。蛇だ。空き屋に寄ってくる蛇。この描写。この創造力。誰も、そしてどの国も真似することができない宝物。
’91年アカデミー名誉賞にも感謝したい。
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