[コメント] ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000/英=独=米=オランダ=デンマーク)
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如何にも賞を獲りそう作品。だが、脚本がそこまで凝っている訳でもなく些か強引な印象も。演出ももう少し頑張れたと思うのだが、そこはビョークの熱演でカバー。中盤以降は良いが、序盤がダルい。
そもそも明確な容疑でもなのに突然死刑と宣告される事自体がおかしいし、子供には失明の恐怖を知らせたくないがために、自分が強盗殺人犯として死ぬというのも、後の影響を考えれば後者の方が悪影響を及ぼすなんて容易に想像がつくはず。
ラース・フォン・クリアー監督はショッキングなラストが撮りたかったためか、それに執着しすぎた所為で、些かその経緯の描き方が弱く、説得力に欠けるものへと仕上げてしまった感がある。
ハッキリ言って不幸にするくらいなら誰にでも出来る。だからこそ、その経緯をもう少し大切に扱って欲しかった。
だが、全体的にこの作品からはパワーが感じられる。セルマもビョーク以外では考えられなかっただろう。ミュージカルシーンは過去の作品を著しく越えるものでは無かったが、なかなかに良かったとも言える。もう少し演出には弾けた感覚を出しても良かったように思えるのだが。★3.5
追加文:{構成前}別の場所で書いた文。そのうち直します。
子供に失明の事実を知らせるとショックで手術が成功しなくなるかもしれないので、真実を告げる事無く、セルマは不器用にも死刑の道を辿りますが、ハッキリ言って子供の将来を考えたら、自分の母は強盗殺人犯だったという事の方が、その真実に目の手術を前に不安にさせて成功しなくなる可能性が出てくるというセルマの心配より、よっぽど悪影響を及ぼしますよね。観ていくうちに、なんて頭が悪いんだろうと段々思えてしまって、感動も涙もなにも無かった。
死刑になる過程も早すぎるし、時間が経っていると仮定してもその描写はなされてないですし、単に監督はショッキングなラストが撮りたかっただけでは・・・と思える。
全体的に脚本がずさん。ミュージカルシーンも、インパクトだけならジャンルは全然違うけど、ムトゥ踊るマハラジャの方が5倍は凄かったですし、同系のミュージカル作品と比べても、特筆すべきものはありませんでした。
大体、ビョークはセルマ自身って話題になってましたけど・・・ビョークの他の作品の役も知らないのにそんな事言ってもねぇ。。。
と、楽しみにしていたのですが、観終わった後はそう思ってしまいました。ラストが悲しいからとかじゃなくて、その過程の描き方が弱く矛盾も生じ、説得力に欠けたのでそう思ってしまいました。
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