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[コメント] 風花(2000/日)

作風だけを見ていると確かに相米慎二の映画なのだが、いったいこの優しさは何なのだ。最後の最後にこんなものを残して逝った彼はやはり大バカヤローだ。
ナム太郎

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







クライマックスで廉司(浅野忠信)が雪山の中に流れる冷たい川のアチラ側にゆり子(小泉今日子)を見つけ、自らがその川を渡ってコチラ側にと連れ戻していくシーンが忘れられない。

できることならば今度は私がその川を渡って今はアチラ側にいるであろう相米慎二をコチラ側に連れ戻したい。そして言ってやりたい。こんな生ぬるい映画なんか作りやがって!と。しかし、それができないというこの娑婆の悲しさよ。

そんな自分の行く末を知ってか知らずしてか、わざわざ最後には「官僚」と「風俗嬢」の象徴とも言えたようなあの衣装を脱がしてしまうんだもの。ほんとに、この優しさは罪だ。

最後の最後にこんなものを残して逝った彼はやはり大バカヤローだ。そうとでも言わないと、やはり悲しすぎる。

(評価:★4)

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