[コメント] 狼たちの午後(1975/米)
これはシチュエーションとキャラクタ、即ち「芝居」の面白さ。多少カッティングを工夫したり申し訳程度に空撮を入れたりしたところで「映画」らしくなるわけではないのだが、ジョン・カザールの存在感とアル・パチーノの常人の限界を超えたテンパリ演技は立派。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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一言で云えば「ディスコミュニケーションの劇」ということで、おそらく脚本はそれを目指して書かれているのだろうし、シドニー・ルメットもそれに逆らわず演出している。あらかじめ弛緩した物語として語られているのだから、ルメットらしく今ひとつ的確に緊張感をつくりだせていないことも、あるいは正解なのかもしれない。ラストのカザール射殺の簡潔さもよいが、パチーノが取り押さえられてからの描写からはディスコミュニケーション劇を視線(が交わらないこと)のドラマとして締めくくろうとする意欲が感じられる。
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