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[コメント] ミッドナイト・エクスプレス(1978/米)

イスタンブールは旅行で訪れたことがありますが、人も親切だったし、いい街でした。
緑雨

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







でも、最初に空港に降り立ったとき、ゲートにお出迎えのコワモテトルコ人たちがずらーっと並んでいる光景にはちょっとビビったけど。もしこの映画を先に観ていたら、恐ろしさも倍増していたことでしょう。

当時の国際情勢やら米土両国の関係について正確な知識を持ち合わせていないのでアレなんだけど、この映画が何を目的に作られているのかが理解できなかった。「トルコってこんなオソロシイ国なんだぞ〜」ということを喧伝するのが目的だったとしたらそれはもう十分過ぎるくらい効果満点なのだが、この映画を契機に両国関係が改善したというのだからそれが目的でもないらしい。この辺がさっぱりわからない。

そしてやっぱりなんだか腑に落ちないのは、主人公が完全に被害者ヅラしていて反省の色がまったく見えないところ。さらには「不当逮捕だ」と言わんばかりのバカ親父の態度。そりゃこの程度の犯罪であんな酷い仕打ちというのは、冷静に考えれば同情すべき話だが、アジア人を下に見る、イスラム教徒への無用な敵視、自らの正当性ばかりを主張するデリカシーの無さ、といったアメリカ人の性癖が見え隠れするようで癪に障る。

以上の点で印象点が下がってしまったのだが、映画の出来としてはなかなかのものだと思う。特に、空港でつかまった後の取調べシーンでの不安・恐怖の演出(このシーンではトルコ語には字幕がついておらず、主人公の心細さへの共感が増した)、かつての恋人が面会に来るシーンでの哀しみの演出。少々過剰すぎるような気もするが、やはりこれくらいやられると心を衝き動かされる。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)死ぬまでシネマ[*] ぽんしゅう[*]

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