[コメント] リトル・ダンサー(2000/英)
体全体を自由に表現する。母の思い出、スト、悲しい出来事を吹き飛ばすダンスに全てが濃縮されます。世界はなんて広いのだろうか。全てがありのままに広がっている。もう涙がとまらない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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オーディションの結果が郵送された時の場面は見ものでした。スト、逮捕、おばあさんのボケ、自分を表現できないでいる主人公がひとつになりました。 おばあさんは手紙を待ち、父は唯一残された可能性を秘めた息子の結果に落ち着きがありません。いつも強気だった兄もこの時ばかりは様子が違います。部屋に篭った主人公が出てこないのを我慢できなくなった父と家族は一斉に部屋に入ります。
涙ながらに言ったビリーの言葉。
本当に久しぶりに声を出して泣いてしまいました。
この映画は閉塞感から脱出する映画だったような気がします。同じ事が今の日本にも言えるのではないでしょうか。デフレで空気が重くなり、誰も彼もがその重い空気に失望します。崩壊しつつある家族はその悪い空気を癒せません。今の日本には閉塞間から脱出する事が出来ないのです。
「息子には可能性があるんだ。伸ばしてやりたいんだ」。そう言った父の一言は境界線でした。全ての固定観念から解放され、自由に表現するための。母を失い変わってしまった父も、自分を心から表現した言葉だったのではないでしょうか?オカマになったマイケルも自分を表現しました。兄も「寂しい」と自分の気持ちを表に出しました。おばあさんも心からビリーを抱きしめました。
冬の鉛色の空にも一行の光が見えたような気がしました。
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