[コメント] 小説家を見つけたら(2000/英=米)
「ものを書く」という行為を、映画という手法によって表現するのはやはり難しいな、と。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ジャマールの書く文章がどれだけ素晴らしいものであるか、映像のみで観客に直接伝えることは困難で、結局登場人物に科白で感想を語らせるしかなくなってしまう。それでは観ている側にエモーションは喚起されない。だから、バスケットボールのプレーだとか、アンナ・パキンとの淡くて微かな触れあいだとか、そういったシーンのほうに目が行ってしまう(それらのシーンが素晴らしく魅力的だから、でもあるんだけど)。
役者は良い。ショーン・コネリーはシブいし、ロブ・ブラウンの純粋で涼しげな目も良い。前述のアンナ・パキンも自然に力が抜けていて魅力的。
ニューヨークの街の雰囲気もうまく表現されている。ブロンクスとマンハッタンの空気の違い。デフォルメされることなく、日常が画面から伝わる感じ。
が、この映画もまた作劇の安易さにスポイルされているように思う。上流世界に飛び込んだ主人公がその異端性から排除されようとするという展開は定番中の定番だし、結末もストレートでおとなしすぎる。ジャマールとウィリアムの関係の深まりについても、実はあまり明快に描けていない。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。