キネ旬１位おめでとうございます。

　なにしろこの感覚に驚かされます。ドキュメンタリータッチな映像と三色に色分けされたフォルムは見る者に不思議なジレンマを与えます。

　しかしながら、話は淡々とそして恐るべき勢いで進み、全くかみ合わない物語が最後に一気につながります。

　この種の映画、たとえば『パルプ・フィクション』もそうですが、その展開だけで見せてしまうという傾向がありますが、この映画は最後、善悪に立ち入ることなく観客を突き放すように終わります。

　取り扱っている題材が非常に奥の深い内容なだけに、見終わった時色々考えさせられますが、決して映画としてのスタンスを失うことなくドラマを終局させています。

　きっと何度か見直すとさらに面白いのかもしれませんね。