[コメント] トラフィック(2000/独=米)
「リアリズムを弄ぶな」とヴェンダースは言った。
社会派映画が好きです。
もちろん、世界にある無数の社会問題を真剣に考えたいから、じゃありません。
ただ単に、体制や圧力や差別と戦っている人間がかっこいいから。
ものすごく憧れてしまう。
ドキュメンタリーも、映画、テレビにかかわらず好きです。
もう、NHKアーカイブスとかめちゃ好きです。
そこに映っている、「時代」をいとおしく感じます。
そこに映っている、「人生」を食い入るように見つめてしまいます。
題材が、安保闘争であれ、冤罪であれ、公害であれ、同和差別であれ、麻薬であれ、何であれ、
興味津々で見つめてしまいます。
そして終わるとスイッチを切る。映画館を出る。
今まで知り得なかった真実に触れ、得をした気分になる。
戦う人たちに共感し、僕は満足する。
この映画で、僕は様々な人間の人生を「過剰摂取」して、とてもhiになりました。
僕をこういう気分にさせてくれたソダーバーグという作家は、
ヴェンダースがかつて、やってはいけないと言った、リアリズムを玩具のように弄ぶことを、
平気でやってのける図太い神経の持ち主だと思います。
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