クリスチャン・ベールは俳優としての個性を出すことより、配役として輝く方を選んだ。この映画でのみ有効。 自分の見せかけの姿を磨く事、夕食に超有名な店の予約を入れることに血道をあげる若者の姿は、端から見れば陳腐に見えるが、省みれば自分もスケールこそ全然違えど同じ愚を敷衍していることに気づく。「笑えない」というのはダブル・ミーニング。ドラッグでトリップする先が「殺人への渇望」とは安直で平凡。