[コメント] ドラえもん のび太の宇宙小戦争(1985/日)
藤子F不二雄のすごさ。それは子どもに対して絶大な信頼感をおいている、という点ではないでしょうか。
本来子どものためのものが、はなっから大人を対象にして描かれている作品があります。それはアニメに限ったことではありません。本屋に並ぶ大人のための絵本などがまさにそれに当たるでしょう。私はなぜかそういうものに対する嫌悪感(とまではいかないか)が強いのです。
それに対し「ドラえもん」はまさにストレートに子どもに向けられた作品です。 この『宇宙小戦争』も私自身、小学生のときに映画館で見て興奮し感動した作品です。
そして、今現在みても十分楽しめる作品です。しかし、この作品はあくまでも子どもを対象とした作品です。この作品に限ったことではないのですが、藤子F不二雄は子どもに対して見下さず、且つ媚びずということができる数少ない人であるからこそ、子どもも大人も楽しめる娯楽作を描けるのではないでしょうか?この作品の節々で出てくるSFやレジスタンスの話、「どうせ子どもにはわからんか」という気持ちが作り手にあったら非常にちゃちなものになっていたことでしょう。まさに子どもに対する信頼感があったからこそ、「少年期」の私でも本物の興奮と感動を味わうことができたのでしょう。案外、子どもって本物と偽物を感覚でかぎわけてるもんなんです。
子どもに向けて発信し、付加価値として大人も楽しめる。本来、娯楽作ってそういうもんだと思うのです。
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