[コメント] 小島の春(1940/日)
豊田四郎は矢張り社会的テーマ性よりも端正な画面を見せたかったのだろうと思わせる。とても好ましいことだ。
中村メイ子の家を訪ねるシーンやラスト近く【菅井一郎と杉村春子が麦畑に忽然と現れるシーンなど俯瞰の冴える撮影が随所にある。中村メイ子は同年の『孫悟空』に比べてずいぶん幼い。道をいつまでも付いてくる部分は『となりのトトロ』のメイを思い起こす。こゝもいい場面だ。また、桃畑の小屋に一人閉じこもっている女のシーンも杉村の演技というより桃畑ショットとのカッティングで突出したシーンになっている。或いは菅井一郎の丸い黒メガネの佇まい自体がとても強い。
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