[コメント] ハネムーン・キラーズ(1969/米)
淡々と、じりじり破滅していく二人。酷い話だが、すんなり共感してしまうリアリティ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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実話を基にしてるらしいし、ドキュメントぽいカメラワークなのでリアリティがある。狭い室内での人物にあわせて動くカメラがかっこいい。監督はこれ1本きりらしいが、なるほど素人風でもあり、時折すごくテクニシャンにもなる。
ほとんど音楽ないのもいいし、いきなりマーラーがジャーンと流れるのもコワイ。 話の運び自体は省略もあったりして唐突だが、マーサの心情には映画的な作為を感じることなく自然に共感できた。マーサの存在感がものすごく、デブ女、いや太めのハイミスの醜悪さとけなげさが濃縮されている。
ただ、この男がなんで惚れているのかがわからない。もともとはマーサだって詐欺の対象だったはずなのに、それをひっくり返してまで惚れる動機をはっきり示して欲しかった。
次々犠牲となる女性たちもみなうまくて、いかにもいそうな真実味があった。ただの結婚詐欺から、殺人が当たり前になる感覚まで転落していく過程が淡々と描かれるさまは人間観察の鋭さがにじみ出て秀逸。
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