そして恋愛映画以上に、ホームドラマとして傑作だろう(と思う)。古き良きアメリカの家族神話の再生をシカゴという街を舞台に添えたのは本当に上手い。これが、LAやニューヨークだと嫌味になるだろうし、南部が舞台だと、単なる人情物になっただろう。

映画は、家族神話を再生させる為に、旧来の価値観をそのまま持ってくるなんて野暮できな臭いことはしない。カソリック教会に通うユダヤ教徒のユダヤ人なんて非常におもしろい設定まで用意して本当にスマートで現在的だ。

恋愛映画としても、二転三転するストーリを非常に上手くさばいているし、まあ自他共に認める腹黒い俺でも、性善説が全快な展開も多いに許せてしまうほど巧妙なストーリー展開とエクスキューズに、してやられました。