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[コメント] パール・ハーバー(2001/米)

国威掲揚、プロパガンダ映画。便宜上の恋愛ドラマは原始生物なみの節操なし。愚の骨頂、What a load of bollocks。プロットは分裂症末期症状的。
カフカのすあま

巨額の製作費が話題になっていたけれど、カネの出所がディズニーというのがシブい。ディズニーは世界中の子ども(日本では若者・オトナも含む)に夢を叩き売ってカネを稼ぐ。そんなカネでつくったのが、国威掲揚および「売れてなんぼ」の21世紀アメリカ・プロパガンダ映画。

ストーリーは大筋でいうと、バカな3人の「ついた・はれた」がメイン(らしい)。黄金比である「女1・男2」をつかってすらパッとしない三角関係。この「メイン」プロットのダメさはソレっぽい雰囲気の映像と音楽でカバー(おかげで、みられちゃうんだけどね、お昼過ぎの奥様向けメロドラマ部分)しているが、「タイトル」にもなっている真珠湾攻撃はいつまでたってもはじまらないし、やっと始まったらこれがクドクド長い。途中、スパークするでもなく、それほどテクがあるわけでもなく、エンエン同じようなことを続けるので、奥さん思わず口にしてしまう、「長ければいいってものじゃないのよ」(失礼)。

攻撃を受けたアメリカは「やられっぱなしで黙ってる」わけない。「やられたら倍返し」が基本。そこでがらりと気分を変えて、アメちゃんカタルシス用「仕返し東京空襲」だァ。ええい、憎きスニーキー・ジャップをばんばん殺すぞ!(そのくせ、見せるのは工場爆破風景だけ。うそつき。「これでもくらえ」って日本人からもらった友情の証だったか何だったかのメダルをバクダンにくくりつけて嬉々としていたのは、たかが軍事施設を破壊するためだけじゃなかろう? ウソつきは閻魔さまに舌ベロ抜かれるぞ)。

で、なんかチロチロと線香花火が終わるような「ちゃんちゃん」なオチがあり、とってつけたようなヒロインの知ったかぶりの歴史「語り」で幕を閉じる。だいたい、彼女はいつのまに歴史を諦観できる立場になったのだね? 笑止千万。

ぜんぜん関係ないけど、今ちょっと調べたら、アメリカが国連に払っていない自治会費、ディズニーがこの映画に払ったお金のたった11倍…。それっぽっちのお金、なんで払えないんでしょうね、アメリカ。払うつもりないんでしょうか。ディズニーが立て替えてやればいいのに。今後のアメリカ・プロパガンダ映画すべての製作権つきで。って、もうやってたりしたら怖い。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (9 人)りかちゅ[*] hideaki[*] ヒエロ[*] セカン こしょく kazby[*] * ボイス母 アルシュ[*]

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