[コメント] ココニイルコト(2001/日)
天使の口癖か、悪魔のささやきだったのか?
「まぁ、ええんとちゃいますか?」
関西の言葉には不慣れな為、本来のイントネーションと違うとかいう意見にはまったくもってお手上げです。しかし、この言葉の持つ意味については考えさせられました。
この言葉、上司が部下に言う言葉ではない。責任ある言葉ではない。
同僚やら部下が、相手を慮って言う、または励ます言葉だ。言い換えればそこには何の責任もない。責任もない者が勝手に許可を与える。
言われた相手はどうだろう?決心がつかず迷っている時に、「ちょっとだけ」背中を押してくれる魔法の言葉だろう。
なんともいい加減な言葉だ。擬似的な許可だとは知りつつも、否それにすがるようにしながら、決心をする。ただし最後に決めるのはいつも自分自身だ。
なんとも残酷な言葉でもある。言われた瞬間に二者択一の決断を強いられる。上司からの選択の余地のない命令のほうが、何も考えずに済む分、ある意味楽だろう。
この魔法の言葉は悪魔の囁きだ。この言葉を囁かれたら最後、もう後戻りは許されない。
主人公の彼女の、これまでの長い人生とこれからの長い人生の中において、 あの男は一瞬だけ彼女の前に現れたピエロのような存在だった。結局、彼は天使だったのか悪魔だったのか・・・
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