[コメント] 十二人の怒れる男(1957/米)
民主主義とは多数決の合意に至るまでの話し合いが最も重要な事だと学びました。
(レビューは陪審員に黒人が居ない理由)
この作品が創られた1950年代は、黒人には選挙権すら与えてもらない時代でした。南部の州の多くが人種隔離政策をとっていて、黒人は白人と同じ施設を使う事は出来ませんでした。そんな制度を改めさせようとキング牧師が公民権運動に立ち上がったのも丁度この時代。
「全ての人に平等と権利を!」
そして1964年、公民権法が制定してキング牧師はノーベル平和賞を受賞。しかし1968年、テネシー州にて人種平等反対派に銃で撃たれて死亡。若干39歳でした。
「12人の怒れる男」の陪審員に黒人が居ないのは、まだ黒人に対しての偏見があった時代だからなのです。アジア系の人種が居ないのも同じ理由からだと思います。1997年にリメイクされた『12人の怒れる男 評決の行方』では黒人が陪審員として選ばれています。このように時代背景を比べると、民主主義も進歩したなぁと思います。
もうひとつ、「12人の怒れる男」で女性が陪審員に選ばれていない事も興味があります。この1950年代の陪審制度には、女性が陪審員になる文化、社会通念が無かったのかもしれません。まだまだ男女均等デモクラシーは成立されてなかった時代だったのでしょう。
映画は社会を写す鏡です。古い映画を観るとその時代背景がみえてきて勉強になります。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (6 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。