監督の大胆な挑戦がすごい。普通は結末が描かれて終わるパターンだがこの作品はその常識を逆にとり結末から始まり主人公の秘密が分かるというかなり荒業的な作り方。過去にこのような作り方をした作品というと『サンセット大通り』ぐらいしか思い当たらない、あっちはまだここまで作り方は似てないので多少違うが似た感じは多少ある。ストーリー展開がすでに普通の映画とは違うので見方がかなり複雑でかなり映画を見ている人でなければすぐにはストーリーを理解できないが事件を調べるレナードがなぜあんな事をしたのかという説明を見ていくうちにしているのでその辺の作りはかなり丁寧に作られている。只同じシーンのつなげ方が上手い割に何度も使うので多少クドさが出てくるのは気になるところ。演出は上手だったのでサスペンス的な恐さは充分にでていた。キャラもキャリー＝アン・モスが演じたナタリーなんかはレナードを利用するあたりからかなり悪女的なところを見せていてキャリーの違った一面を見せた。ガイ・ピアースもレナード役で今まで隠していたナイスボディを生かしていて演技だけでなくルックスやセックス・アピールでも観客を引き付ける力があることを証明している。ジョー・パントリアーノも今までとはかなり違う印象を見せていて役者の演技はかなり素晴らしい。結果としては作り方が斬新なので多少なれない感じがするがストーリーはかなり出来が良くて演出なんかも丁寧なので退屈はしない。只オチが通常でいう始まりなのでその辺の作り方のことを充分理解したうえで見ないと面白さは半減する。