[コメント] リリイ・シュシュのすべて(2001/日)
映画を語るときあまり技術的な事は重要じゃないかもしれません。しかしこの映画では岩井俊二はデジタルビデオによって「自由」と「リアル」を手にしたと思います。ただしそれを引き換えに彼の「完成度の高さ」は失ったかもしれません。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
最近の映画ではかなりデジタルビデオで撮影した映画が増えました。この傾向は主流になるかもしれません。
その理由として
1 デジタルビデオの画質が良くなった。
2 CGやデジタル処理、デジタル編集がしやすい。
3 「リアル」を表現するのに手っ取り早い。(ある意味とても危険)
とくに「リアル」を表現しやすい所が今の時代の映画にあっていると思います。
この映画では沖縄のシーンが本当にすばらしい。出演者にホームビデオを持たせそれをそのまま映画で使っています。痛いくらい「リアル」です。
岩井俊二は「14歳のリアル」と「映画のリアル」を表現したかったのでないかと思います。
ただし「映画のリアル」には希望があるが、「14歳のリアル」には絶望しかない。
追加
ビデオは「リアル」を表現しやすいが本当のリアルではありません。「リアル」ではなく「リアルにみえる」です。本当のリアルはそれとはまったく反対のところにあると思います。
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