魚と字幕とか象徴的な人物とか引用めいたセリフとか。どう考えても話のテーマと緊密に噛み合ってるとは思えない。それだったらどっちかに絞って欲しい。

話の構成ががまず破綻している。まるで前半、中間部、後半に分かれているみたいと言えばいいのか、話が進んでいくにつれ焦点がズレていくし、主要だと思っていた人物は消えていくし。まあ話的にもたいしたものではないとは思うけど、もっと不条理さとか皮肉な運命とかを意識して話を作っていくと、それなりに見ごたえある映画にはなっていたと思う。ハズし気味の音楽の使いかたとか、車を沈めるシーンとかにその片鱗は見えていたと思うし。

一方もしイメージの羅列を選んだとしたら、話が少しうるさい、つーか複雑過ぎ。邪魔にならない程度の単純な話にして欲しい。イメージ自体とか映像の質感とかも、悪くないと思うし。思わせ振りに見えて、あざとさを意外と感じさせないのは何より好感が持てた。多分イメージ自体に思わせ振りなつながりがなかったからってのも大きいと思うが、それだったら話なんて極端に言ってしまえばなくったっていい。

いろいろ考えた上本当のところは２点。でも個人的に後々まで余韻が残った印象的なフレーズがあったので、プラス0.5点。何かと言えば、「ノルウェーでは音楽で魚を捕らえる」ってヤツ。想像しただけでちょっとドキドキした。