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[コメント] 贅沢な骨(2001/日)

映像はとても美しくて印象的に強く残りますが、雰囲気や記号重視で作品を構成していることが気に障り、作品の中に飛び込めませんでした。特に人物に対して向けられる、表層をなぞったような描き方と軽々しいセリフに共感できません。
ゆーこ and One thing

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ミヤコとサキコの間に入り込んでくるシンタニさんの存在感が異常なほどに希薄です。作品のキーパーソンであるこの人には、2人の間をかき乱す強さや吸引力、生命力のようなものが感じられないといけないのではないでしょうか? もしかしたらキャスティングミスなのかもしれませんけど。

 セックスにオープンなミヤコの裸は巧妙に見せず(しかも隠し方があざとい。あんな隠し方するならベッドシーンなんかするな!)、「初めて」な女の子であるサキコの裸を「この震えている肉体はどうだ!」とばかりに堂々と映し出す意図がよく分かりません。このアンバランスは何でしょう。演出のひどい片手落ちです。

 一番理解不能なのは、ミヤコがラストで突然死んでしまったことです。冒頭で焼かれたお骨が出てきたので、ミヤコが死ぬということは何となく分かりましたし、はかなげな雰囲気は劇中で漂わせていました。

 しかし、「はかなげな雰囲気」と「死ぬこと」は全然別次元のものです。説明もせずにミヤコを画面から簡単に消すな。

 ただ、ヌードを披露したとか隠したとかは関係なく、この作品を観終わったときには麻生久美子よりつぐみの方が印象に残ります。特に暗い室内にいてじっとしているときよりも、屋上でせっせと影踏みをしている表情がとてもいとおしかったです。

(評価:★3)

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