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[コメント] アザーズ(2001/米=仏=スペイン)

ホラーじゃなかった。霧の屋敷の鎮魂歌。
ざいあす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







不用意にも、事前に「母の愛の物語」との情報仕入れちゃった。

だからハナからホラーとも思わず、そこに至るドンデン返しのオチだけをひたすら待ちかまえていた。だからニコール・キッドマンがピリピリ神経張りつめてドアを開いていっても「こんなとこで怖がっちゃいかん!」と耐えてたのに・・。

白髪のバーサン出てきたとこで、思わず「うわっ!」と声でちゃった。だって音響すごいんだもん。場内どよめいてたよ。これじゃサム・ライミの「例の映画2」といっしょだよ。

やはりオチだけで言えば、M・N・シャマランの「例の映画1」を連想してしまうのがインパクト薄まって残念なところ。だからこそ、そこに至るまでの情念のドラマを描いて欲しかった。現在の境遇に至った「事件」(書きにくいなぁ・・)そのものを描いていないし、それ以前の描写も無い。例えばケネス・ブラナーの「愛と死の間で」のように再現ドラマをやって欲しかったのよ。

ついでに言うと、口の利けない使用人リディアのタネ明かしも回想シーン入れて欲しかった。

しかしこの監督、「オープン・ユア・アイズ」ではアングラなマイナー感もあったのに、この様式美と丁寧に伏線張った上品な語り口はどうよ。ベテラン監督のような味わいがすでに出ちゃってるね。(ハリウッドぽくなったとも言えるが)とにかく次作も必見。

(評価:★4)

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