[コメント] 同級生(1998/英)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
途中まではただただなんかピュアにドキドキするゲイ映画っていう感じなんだけど、後半に行くに従ってどんどんリアルに追い詰められていくのですね。主人公も、観ている自分自身も。少なくとも私はそうなった。
最後にスティーブンが告白した、「素顔で付き合える友達が欲しいし、家族にも愛して欲しい。仮面の僕でなく、本当の僕を。」という台詞。当たり前のことのようで、とても痛々しくて切ない。ゲイじゃなくても誰もが思うことじゃないだろうか?彼が言っているのは、当たり前のことを当たり前にできない、受けられないことへの苛立ちだ。愛し合っているのに、その相手にすら自分を認めてもらえない。本当の自分の声は小さいし、何より独りは心細い。
告白してしまったスティーブンを誰より愛していながら、それに答えられなかったジョン。「ジョンは意気地なしだ」と片付けてしまうのは簡単だけど、ジョンの気持ちはスティーブンには痛いほどわかるから、責める事も出来ない。最後にスティーブンがジョンに送った「幸せに」という言葉は、本当に悲しいし、切ないし、優しい。ジョンはこれからきっと凄く苦しむのだろうと思うとまた、切ない。
自分に正直に生きることは、本当に難しいし勇気のいることだ。それが幸せとも限らないし。誰にでもどこか思い当たる所はあるのでは?といわけで、この映画のタイトルは『同級生』では決してなく、現実を見よ、『Get Real』なのであります。
さぁ、この映画を観てスティーブンに勇気をもらったら、大きな声で叫びましょう!「アイム ゲイ」と!(←違うって)
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