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[コメント] UFO少年アブドラジャン(1991/ウズベキスタン)

戦車やヘリや,本物の宇宙センターまで繰り出す割に,肝心のUFOはチンコロチンコロ情けない音を出して飛んでおり,しかも上から吊しているのがバレバレ.その徹底した美学に脱帽・脱力.
じぇる

ムサコフ監督の「SF」に対する想いがヒシヒシ伝わってきますね.まあ,とは言えこの映画自体はSFというより,単に「ちょっと不思議でおかしな喜劇」に仕上がってるんですが,そんな批評も全く無用──言えることはただ一つ「とりあえず観て笑え!」です.計算の上か否かは不明ですが,力の入れドコロと抜きドコロの落差は『キン・ザ・ザ』以上.とにかく一部始終可笑しくて,もう顔の筋肉が引きつって仕方がない.だって役者が,そして人間が最高なんだもの!

これほど素直なファンタジーの矛先が,なぜかごく普通の日常生活へと向いてしまう「堂々とした余裕のなさ」みたいなモノがロシアなんでしょうか.僕は共産主義国家の内情(特に当時のウズベキスタンなんて)は詳しく知りませんが,この映画から一人一人の人間の中に息づいているアナーキズム(個人主義というイイ意味ね)を感じ取ることができました.結局「笑い」って国家や体制や,時には貧富の差すら超越した地球の財産ですよね.こんな楽しい体験をさせてくれたアブドラジャンに感謝!

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)かるめら[*] よだか[*] ジョー・チップ[*] バーンズ[*]

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