最初は本格派サスペンスのつもりで観ていた。 冒頭の交通事故から一体なんの話なのかとひきつけられる。 前半で連続殺人を犯した男が気になったのだが、その後なかなか出てこない。ラスト近くで再登場したとき、そこは別次元の展開。青い箱が出てきてからか？訳がわからなくなったのは。 中盤で正直眠くなってきていた僕から、どんどん離れていってしまうような展開に、逆に目が冴えてきた。なんなのこの映画。 気になっていた老夫婦の最初の笑みは、最後に思い出してゾッとした。

リピーターも多いと聞くが、訳わからない不気味なところがこの映画の魅力。何度も観てみたいとは思うが、変な分析とかはじめるとこの映画の不思議な要素が薄れる気がする。何より探して出てくる答えはろくなもんじゃない。「秘境」と呼ばれる場所に何度も足を運び、やがてただのリゾート地となっていくことに似ている。

とりあえず、内容といい制作意図といい、考えるだけで不気味で恐ろしい映画だが、映画館でこれを体験できたのはとてもうれしい。